すまいる餃子

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すまいる一家の
おはなし

すまいる餃子、
よみがえる!

第1章

おじさんの餃子

ぷん太郎が子どものころ、
いちばんの楽しみは、おじさんの焼いてくれる餃子。

ジュ〜ッと焼ける音、
立ちのぼる香り、
ほおばったときのしあわせ。

それは、ぷん太郎にとって宝物のような日々でした。

「ぼくも、こんな餃子をつくれるようになりたいなぁ」

第2章

プンプン!ぷん太郎

でも、ぷん太郎が大人になるころ、
おじさんは突然、天国へと旅立ってしまいます。

残されたレシピは、古い餃子語で書かれたもの。
ぷん太郎には読めませんでした。

図書館に通い、学者先生に教わって、なんとか現代語に訳したけれど——

「……ちがう。あの味じゃない。」

何度つくっても届かない“しあわせの味”。
ぷん太郎の心は、いつもプンプンしていました。

第3章

にこえとの出会い

そんなある日、にこえという女性と出会います。
やさしくて、まっすぐで、そっと寄りそってくれる人。

ぷん太郎の餃子を食べたにこえが、ふとたずねました。

「ぷん太郎さん、餃子を作るとき……楽しい気持ち、ちゃんとある?」

そのひとことに、ぷん太郎はハッとしました。

子どものころのワクワクした気持ちを、
いつの間にか忘れていたのです。

第4章

よみがえった、あの味

その日、ぷん太郎は鼻歌まじりに、餃子を包みました。

皮の手ざわり、リズムのある手つき、ふわっと軽い心。

焼きあがった餃子をひと口食べた瞬間——

「……これだ!」

おじさんの味が、よみがえったのです。

第5章

ふたりのはじまり

ぷん太郎は、できたての餃子をにこえに差し出しました。

にこえはひと口食べて、ふわっと笑って言いました。

「……こんな餃子、はじめて。」

そしてそっと、こう続けました。

「これからも、いっしょに餃子を作って、食べたいな。」

ぷん太郎は、ちょっと照れながらうなずきました。

——こうして、ぷん太郎とにこえは結婚して、仲良く暮らすことにしたのです。

おいしい餃子と、ふたりの笑顔があれば、
しあわせは、いつでもそこにあるのです。

奇跡のドロダレ、
たんじょう!

第1章

しくのやさしさ

しくは、やさしさにあふれた餃子の女の子。
誰かが悲しそうにしていると、すぐにポロリと涙がこぼれてしまいます。

ある夜、しくは町の餃子屋さんの前で立ち止まりました。
おなかをすかせた子どもたちが、買えずに帰っていくのを見たのです。

「おいしい餃子、おなかいっぱい食べたかったよね……」

その涙が、地面にポトリ。
ふしぎな気配が、もくもくと立ちのぼりました。

第2章

ジャオ君、うまれる

しくの涙から生まれたのは、
おなかをすかせた妖精・ジャオ君!

「ぎょうざ食べたい〜〜っ!たらふく食べたーい!!」

それからというもの、
ジャオ君は見つけた餃子をこっそり集めて、
街中にある自販機にこっそり隠すようになったのです。

第3章

ぎょざ坊あらわる!とまらぬ騒動!

ぷん太郎:「ぎょ、ぎょぎょっ!? 餃子が見つからんぞーー!」

???:「僕に任せて!」

ぷん太郎の“餃子を守りたい”気持ちから生まれたのが、
「ぎょざ坊」!

こうして元気な弟・るんといっしょに、
餃子パトロールがはじまりました。

「また隠してる〜〜!?」
「見つけたぞ〜〜っ!」

自販機のまわりは、今日も大騒ぎです!

第4章

奇跡のドロダレ、できちゃった!

ある晩、ついにジャオ君を追いつめた、るんとぎょざ坊。

「まて〜〜っ!」
「ぎょうざ、返して〜!」

「いやだも~ん!」と、ジャオ君は杖をふりかざして——
ニンニクビーム、発射!!

ピカーーーン!

ぷん太郎の秘伝ドロダレに命中して、
香ばしいにおいがもわ〜っと立ちこめます。

「……これは……新しい味だ!!」

第5章

いっしょに食べると、もっとおいしいね

「ジャオ君も、食べてみなよ。」

もぐもぐ……

「……おいしい。」

しくが隣にすわって、にっこりほほえみました。
「いっしょに食べると、あったかいよね。」

それからというもの、
ジャオ君はタレづくりを手伝うようになりました。

でもときどき、こっそりつまみぐい…

ぎょざ坊とるん:「こら〜〜っ!またか〜〜っ!!」